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WEBセミナー

「システム開発の基本とプロジェクトマネジメントのすすめ方のポイント~アジャイル型開発における基礎知識とリスク対処法を解説~」

開催日時

令和3年12月6日(月)13:00~17:00

主催団体

一般社団法人日本経営協会

会場

ZOOMウェビナー形式

講師
弁護士・公認システム監査人 福本 洋一 

概要

 従来のシステム開発は、いわゆるウォータフォール型開発(開発委託契約の段階で仕様を確定させる開発)を前提とした契約形態を取られていましたが、実際には、委託者側に技術的な判断ができる人材がいないこともあり、契約時には厳密に仕様を確定させることは困難であるため、契約書を作成していても、開発着手後の仕様変更による費用負担や開発中止の原因を巡るユーザとベンダー間での紛争を避けることは困難でした。

 そこで、最近のシステム開発では、開発を進めながら仕様を確定させていくアジャイル型開発で進めるのが通例となっています。

 このようなアジャイル型開発においては、従前型の開発とはシステム開発を巡るリスクの内容が全く異なるため、従前とは異なるリスク分配に関する取り決めが必要であり、ユーザ側においても開発のプロセスにおける役割と責任を果たすために、開発プロジェクトにおける社内体制を構築し、担当部門に適切な権限と予算の付与を行うことが求められます。

 本セミナーでは、最近のシステム開発の基礎知識や新たなリスクの解説と対処法、開発プロジェクトを進める上での全体のマネジメントなどに関して、実例を踏まえて分かりやすく解説いたします。


プログラム

1 システム開発契約の基礎

(1)システム開発の契約形態(請負契約/業務委託契約:成果報酬型・履行割合型)

(2)システム開発契約の特殊性(完成の概念:バグの存在・PL責任の例外)

(3)システム開発完了後の視点(保守契約等による事後経費)

2 ウォータフォール型とアジャイル型におけるリスクの相違点と対処法

(1)ウォータフォール型開発の流れとアジャイル型開発の流れの相違点

(2)ウォータフォール型開発におけるリスクと対処法

(3)アジャイル型開発におけるリスクと対処法

3 開発プロジェクトにおける経営陣や事業部門との役割分担(ITガバナンス)

(1)ITガバナンス(EDMモデル)と6つの原則

(2)システム開発以前の情報システム戦略の方針

(3)ITガバナンスの視点から見たシステム開発に対する統制

4 システム開発における社内体制の整備のポイント

(1)システム開発における委託者側の体制

(2)システム開発が遅延・開発中止になる委託者側の原因

(3)システム開発前に求められる社内体制の整備のポイント

5 裁判例を踏まえた契約交渉のポイント(交渉ポイントとなる契約条項例)

(1)スルガ銀行・日本IBM事件/旭川医大・NTT東日本事件

(2)裁判例からみた委託者とベンダーの責任分岐点

(3)開発委託契約の交渉のポイント

6 ビッグデータの利用権限と知的財産権との相違点

(1)ビッグデータは誰のもの

(2)不正競争防止法における限定提供データと営業秘密の違い

(3)自社のビッグデータを守るには

7 応用としてのAI開発(学習済みモデルの開発)への対応

(1)AI開発とは

(2)AI開発と通常のシステム開発との相違点とAI開発特有のリスク

(3)AI開発委託契約における契約交渉のポイント

8 システム開発の成否は開発前に決まっている


講師より

 システム開発は、建築等の請負のような目に見えるものを製作するわけではないため、ユーザ側において具体的な仕様を理解できる人材がおらず、ベンダーに依存する一方で、開発が進んでから、ユーザが希望していたものができないことが判明したり、完成したものとの間に乖離が生じて紛争になることが多いところです。このような問題は、実際には仕様があいまいなのに確定したような前提にして、開発実態に合っていない開発委託契約が締結され、それに基づいて開発が進められることにあります。

 このような不幸なシステム開発を少しでも減らせるように、ユーザ側企業には適切なシステム開発の知識とリスク認識を持っていただきたいと思います。

参加対象

民間企業・地方自治体・学校の総務・法務・情報システムご担当者